ネットやミネラルショー、土産物屋では「めのう」は、ごくあたりまえに、いろいろ見かけられます。この「めのう」はネットで送料より安く出品されていたのですが、どこかで見たように感じて購入しました。届いて眺めてみると葛飾北斎の絵に似ていることに気がつきました。
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News & Blog
2021年3月24日
1993年8月、サンフランシスコで独りぼっちの留学生活を始めた。インターネットもない時代。今、思えば貴重な経験だった。
やっと見つけた職場近くの古いアパートでの生活。最初は自動車免許もないから調理器具などは、手に持ってバスに乗れる程度しか買えない。皿と鍋とフライパン、スプーン、フォーク、包丁兼用のナイフをダウンタウンの高級デパートで買った。後になって、近所に安い雑貨屋、スーパーマーケットがあることに気が付いたが、最初は土地勘が無いからわからない。幸い、アパートの隣に、今なら「コンビニ」程度の規模の食料品屋があったので、そこで買った牛肉を焼く。あるいはトマト缶と一緒に煮込む。オレンジかブドウを買って、ぱさぱさのパンと安ワインで飲み下してお終い。
国際電話は高いので必要最小限。ツレや友人から届く葉書は何度も何度も読み返した。
アパートの屋上からは太平洋が見えた。果てしなく広がる青い海。白い波。ああ、あの果てに日本があるのだ。
日本にいた時、自分がどれほど多くの人たちに支えられていたのかを痛感した。サンフランシスコの研究室の人々、教授も他のメンバーも実は親切な人ばかりだったが、つきあいは、最初は研究所内だけ。なによりぼくの英会話能力が低かったから仕方がない。仕事を終えて職場を離れると、広さだけは十分なアパートの部屋で、経験したことが無い孤独を感じた。
今は、たとえばロンドンにいる友人と相手の顔を見ながら会話ができる。便利になった。
しかし、ぼくは、今思えば、自分が、そんなふうに心底、孤独になる期間を持てたことは、価値あることだったと思う。サンフランシスコ留学は2年ちょっとだったが、海辺の景色や街並みの記憶は、その時期のものが最も鮮やかに残っている。
そんな孤独は、今の日本では経験する機会があまりないのではないか。孤独が続くのは良くないが、ひととき、孤独を感じることは、人のありがたさを再認識するために必要だと思う。
2021年3月24日
ぼくは二十歳(1980年)ぐらいまで、聴く音楽はクラッシックだった。ポップスやロックが嫌いだったわけじゃない。何となく聴かなかっただけ。
ところが、いつ、どういう番組だったのかも忘れたが、6畳、トイレ共用、風呂なし、キッチンも共用のながしとコンロが二つだけ、という家賃1万円の学生アパートに住んでいた頃、大学生協で買った2万円のテレビでライブをたまたま見た。聴いたことがないメロディー、思わず耳を傾けてしまうような歌詞を、派手な衣装とメイクアップで飾った男性ヴォーカルがマイクロフォンを振り回しながら歌っていた。
たまたま中学校以来の友人が同じ大学にいて、彼の下宿を訪ねたら「それはRCサクセションというバンドだよ」と教えてくれた。彼が持っていた「EPLP」という「名曲編集版」のようなカセットテープなどを借りて、大文字山(如意ヶ岳)が見える暗い部屋のラジカセ(死語)で聴いた。何十回も聴いた。魅了された。ハマった。
好きな曲は多くあるが、たとえば「トランジスタラジオ」は、誰もが思春期に経験する、あるいは思春期にしか経験できない、空虚感とも解放感とも言えない心境を表現していてすばらしい。あるいは「スローバラード」ほど、美しい言葉でありながら、自らの根源的な孤独を残酷なまでに見つめた歌詞をぼくは知らない。
今、思えば「ハードロックRCサクセション」が旭日の勢いで(古い表現御免)知れ渡る時期と、ぼくが大学生活になじむ時期が重なっていた。
その後、RCのコンサートが関西であるときは、昼飯代をぬいてチケットを買い「キヨシローファッション」、派手な恰好の若い女の子が並ぶ列に、むさくるしい貧乏学生も並んだ。「おっかけ」ですね。京都会館、大阪城ホールとか。
化粧品会社に就職したら、宣伝制作室の同期入社がみなさんRCファンで、連れ立って聴きに行った1985年夏の西武球場でのライブが、最後に行ったコンサートだった。朝から雨が降っていた。ところがライブが始まると雨がやみ、晴れた。忌野清志郎さんは「どうだい!晴れたぜ!おれたちの実力だ。じゃあ行くぜ!『雨上がりの夜空に』!」大感動。
十数年前、たまたま忌野清志郎さんと同じエレベーターに乗ったことがある。当時、清志郎さんは50歳そこそこだった。熱中されていた自転車にのるコスチュームだった。なんとなく「話しかけないでください」という雰囲気があって、ぼくは黙っていた。清志郎さんが降りる階になったので「開」ボタンを押したら「どうも」と低い声で出ていかれた。
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