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虹色の「ペトルーシュカ」、春の草原「イタリア」

  • 執筆者の写真: 傳田光洋
    傳田光洋
  • 2021年3月5日
  • 読了時間: 2分

サンフランシスコで研究生活を送っていたころ、よくオーケストラのコンサートに行った。夫婦そろって週末祝日返上で実験をしていた。そのため貴重な息抜きだった。


インターネットが無い時代だったが、つれあいと「明日は聴きにいこうか」と決めると、電話一本で座席が取れた。値段も安かった。ホールの傍らに駐車場もあって便利だった。ブロムシュテット指揮のサンフランシスコ交響楽団の演奏も楽しんだが、有名な楽団が客演することもあった。忘れられないのが、ゲオルグ・ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏だ。


当時、80歳を超えていらしたショルティさん、さすがに目がお悪いのか、楽譜が大きかった。しかし姿勢はピシッと美しかった。


「共感覚」という現象があって、例えば匂いや音や文字に色を感じる。ぼくにはそんな才能が無いと思っていた。


まず、ストラビンスキーの「ペトルーシュカ」。演奏が盛り上がってくると、目の前に極彩色を感じた。絵画ならカンディンスキーの作品が光りながら踊りだしたような感覚。生まれて初めての経験だった。


次はメンデルスゾーンの交響曲第四番「イタリア」。冒頭で、目の前が光り輝く黄緑色になった。早春の草原の輝き。わくわくする解放感。すばらしかった。


楽器にも触れず、楽譜も読めない、音痴のぼくだが、すばらしい音楽と演奏には、音痴の脳も踊りだす。貴重な体験だった。

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